【第7弾】スパーダとクロスターは「上下」ではない「用途」で分けるべき真の商品戦略

役立ちアイテム

前回は、子育ての泥んこ期において、

オットマンや高級カーペットといった

「おもてなし装備」が、

かえって親のストレスになるという話をしました。

では、メーカーはどうすればいいのでしょうか。

高級路線をやめる?

──いいえ、違います。

答えは、

「完全なる住み分け」です。


ラインナップを「目的別」に再編する

現在のステップワゴンの構成は、

  • AIR(標準)
  • SPADA(高級)
  • CROSSTAR(クロスオーバー)

という並びになっています。

しかし、この構成は

ユーザーの使い方(人生フェーズ)と

必ずしも噛み合っていません。

これを、もっと明確な

「目的別ラインナップ」に再編するのです。

そのカギとなるのが、

わくわくゲートを「CROSSTAR専用装備」として復活させる

という発想です。


「高い方が偉い」という呪いを解く

従来の車選びには、

無意識のヒエラルキーが存在してきました。

  • 松:最上級グレード(全部入り・高い・偉い)
  • 竹:標準グレード(そこそこ・無難)
  • 梅:エントリーグレード(安い・我慢)

この構造の問題点は明確です。

本当は「シンプルで道具的な車」が欲しくても、

それを選ぶと

「予算が足りなかったから下にした」

という“妥協のレッテル”を

自分自身に貼ってしまうことです。

この呪いを解く方法が、

スパーダとクロスターの「水平分業」です。


スパーダとクロスターを“上下”ではなく“役割”で分ける

SPADA(スパーダ):都市型ラグジュアリー

  • ターゲット子育てが一段落した層/送迎メイン/快適性重視
  • 装備オットマン電動パワーゲート静粛性重視タイヤ高級内装
  • メッセージ「家族をもてなす、動くラウンジ」

CROSSTAR(クロスター):野外型ユーティリティ

  • ターゲット子育て真っ最中/キャンプ・アウトドア好き/汚れ物が多い
  • 装備わくわくゲート(必須)撥水シート防水フロアオールテレーンタイヤ
  • メッセージ「遊びを拡張する、プロのギア」

こうなれば、

クロスターを選ぶ理由は

「安いから」ではありません。

「わくわくゲートと防水機能が必要だから」

という、積極的な選択理由になります。

価格がスパーダと同じでも、

ユーザーは納得して買うでしょう。

なぜなら、

そこには代えがたい機能があるからです。


唯一のライバル「デリカD:5」にどう勝つか

「アウトドア×ミニバン」という市場には、

絶対王者が存在します。

三菱・デリカD:5です。

悪路走破性という点では、

デリカは圧倒的です。

ステップワゴンがいくら四駆を磨いても、

パリダカのイメージを持つデリカと

同じ土俵で戦うのは得策ではありません。


ステップワゴンにしかない“別の武器”

しかし、デリカにはなく、

ステップワゴンにしかない武器があります。

それが、

わくわくゲート × 低床フロア

による

圧倒的な「生活アクセスの良さ」です。

  • デリカ→ 「どこへでも行ける」走破性(ただし、床が高く、乗り降りや積み下ろしは大変)
  • 新生クロスター→ 「どこでも“住める”」居住性と使い勝手

キャンプ場に着いてからの使い勝手、

狭い駐車場でのベビーカーの出し入れ、

子どもが自力で乗り降りできる低さ。

「走りのデリカ」vs「使い勝手のクロスター」

この構図なら、

十分に勝機があります。

むしろ、

ガチのオフロードは走らないけれど、

キャンプの快適性は欲しい

という大多数のファミリー層には、

わくわくゲート付きクロスターの方が

強く刺さるはずです。


「わくわくゲート専用グレード」を作る意義

ここで重要なのが、

あえて

「わくわくゲートはクロスター専用にする」

という決断です。

  • スパーダ→ 通常の電動パワーゲートを残す(高級感・すっきりしたデザインを重視)
  • クロスター→ わくわくゲートを象徴装備にする(縦線=機能の証・ギア感)

高級感を求める層にとって、

リアの縦線は

やはり「ノイズ」になり得ます。

一方、クロスターを選ぶ層にとって、

あの縦線は

「機能の証」であり「誇り」です。

「わくわくゲートが欲しい人は、

迷わずクロスターを選んでください」

このくらい割り切った方が、

市場へのメッセージは強くなります。


結論:ターゲットを混ぜるな。分けろ。

「誰にでも好かれる車」を作ろうとすると、

  • 機能は中途半端になり
  • デザインは無難になり

結果として、

誰の心にも刺さらなくなります。

かつてのステップワゴンが

苦戦した理由も、

一つのボディで全方位を狙ったこと

にあったのかもしれません。

  • きれい好きなパパへ→ どうぞ、美しいSPADAを
  • 泥んこなパパへ→ さあ、最強のCROSSTARを

この2本柱が確立すれば、

ステップワゴンは再び

ミニバン市場の台風の目になるでしょう。


次回予告(最終回)

ただし、

いきなりカタログモデルとして復活させるのは、

メーカーにとってリスクが高いのも事実です。

そこで次回、最終回。

最も現実的で、

かつ最も話題性を呼ぶ

「復活のさせ方」を提案します。

それは、

限られた人だけに届ける

「限定復刻」という手法です。

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