【第4弾】左右非対称は「デザインの癖」ではない「役割の境界線」にすれば完成する

役立ちアイテム

前回は、わくわくゲートが失敗した最大の理由は、

「機能によって生まれた必然的な線を、無理やり隠そうとしたこと」

にあったと分析しました。

人間は、理由のわからない非対称さに対して、不安や違和感(いわゆる“不気味の谷”)を感じます。

逆に言えば、

「なぜ非対称なのか?」が一目でわかるデザインであれば、その違和感は納得感に変わり、さらに機能美へと昇華されるはずです。

今回は、

「もし今、わくわくゲートを復活させるならどう再定義すべきか」

机上の空論ではなく、

実際の使い勝手に即した「左右非対称の完全活用法」を提案します。


「見た目の遊び」ではなく「用途の違い」にする

わくわくゲート最大の特徴は、

テールゲートが縦に分割され、

左側の約6〜7割が横に開く構造にあります。

この構造を前提にすると、

荷室の左右で

  • アクセスのしやすさ
  • 空間としての役割

が、決定的に異なることになります。

ならば、

内装まで左右対称である必要はありません。

徹底的に、

「左と右で役割を分ける」のです。


左右非対称を“使い切る”設計思想

【左側(開く側):アクションゾーン】

  • 役割頻繁に出し入れするもの/汚れたもの/濡れたもの
  • 装備防水フロア濡れたウェットスーツやレインコートを掛けられる無骨なフック泥だらけの靴を放り込めるトレイ
  • 思想ここは「汚れてもいい場所」

【右側(開かない側):ストレージゾーン】

  • 役割整理整頓/着替え/濡らしたくないもの
  • 装備多段シェルフ(棚)引き出し小物を収めるネット
  • 思想ここは「きれいに使う場所」

こうして左右で明確に機能を分ければ、

ユーザーは直感的にこう理解します。

「ああ、だからドアがここで割れているのか」

非対称な縦線は、

単なる切れ目ではなく、

「汚れ物と清潔な物の境界線」という

明確な意味を持つのです。


SUVの世界では、非対称はすでに“様式”になっている

https://image.rakuten.co.jp/car-fuji/cabinet/01209142/syasyubetu2/fj5049_s1.jpg

「左右非対称なんて、やっぱり変だ」と思うでしょうか。

では、視点を少し変えて、

今流行りのSUVやクロスカントリー車を見てください。

  • 片側だけに付くルーフラダー(はしご)
  • リアゲートの片側に背負ったスペアタイヤ
  • 左右で異なるアクセサリー配置

これらは結果として車を左右非対称にします。

それでも、

  • 「バランスが悪い」
  • 「ダサい」

とは、ほとんど言われません。

むしろ、

  • 道具感がある
  • ギア(装備)っぽくてかっこいい
  • 本物感がある

と、ポジティブに評価されます。

なぜか。

「使うため」という明確な理由があるからです。


わくわくゲートに、この文脈を持ち込む

例えば、

  • 縦の開口ラインに沿って、タフな樹脂プロテクターを配置する
  • 右側の開かないパネル部分に、モールシステム的な拡張収納意匠を施す

ただ切れ目を入れるのではなく、

「ここは道具として使う場所だ」と一目で分かる表現をする。

そうすれば、

あの縦線は

  • 隠したいノイズ →「プロの道具である証」

へと変わります。


結論:非対称を隠さず、「機能のアイコン」にする

わくわくゲート復活のカギは、

中途半端にミニバンらしく振る舞うのをやめることです。

  • 左からは、泥だらけのギアを放り込む
  • 右には、着替えや清潔な道具をストックする

この使い分けを、

デザインそのもので表現する。

そうすれば、左右非対称はもはや

「癖」ではありません。

合理的なスペックになります。

ここまで来れば、

  • 「見た目が変だから」と敬遠していた層は
  • 「この形じゃなきゃ意味がない」と感じる層へ

確実に変わるはずです。


そして、次の懸念へ

ただし、冷静な読者なら

こんな疑問が浮かぶかもしれません。

「外見だけアウトドアっぽくしても、

中身が伴っていなければ“なんちゃって”では?」

ご安心ください。

実は今のステップワゴン、

そしてホンダの技術資産は、

当時とは比べ物にならないほど

“中身”もアウトドア向きに進化しています。


次回予告

【第5弾|技術まとめ編】

実は“中身”も今の方が合う

四駆の進化論

次回は精神論ではなく技術論。

現行世代のパワートレインと四駆性能が、

このコンセプトにいかに噛み合っているかを、

メカニズムの視点から解説します。

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