
「なぜ日本円はここまで弱くなってしまったのか」
「なぜ日本企業ですら、国内に投資しなくなったのか」
多くの人はこの問いに対して、
「国際情勢が悪いから」「金利差があるから」と答えます。
しかし、これらは表面的な理由に過ぎません。
今日は、もっと根本的な話をします。
円の価値は、金融テクニックではなく「市場の力」で決まるという話です。
もしあなたが、
「節約こそが美徳」
「我慢すれば、いつか報われる」
そう思っているなら、この記事はその常識を覆すはずです。
企業は「愛」では投資しない

まず、残酷な現実から直視する必要があります。
企業が設備投資や工場建設を行うとき、
そこにあるのは愛国心や善意ではありません。
理由は、たった一つです。
「回収できる見込みがあるかどうか」
例えば、100億円の利益が出る確率があったとします。
- A国:80%
- B国:20%
あなたが経営者なら、どちらに投資しますか?
答えは明白です。
迷わずA国を選ぶでしょう。
では、この「確率」を決めている正体は何でしょうか。
- 技術力?
- 国民の真面目さ?
いいえ、違います。
一番大きいのは、
**「その国で、ちゃんと売れるかどうか」**です。
「ハーゲンダッツ」を選べる国になれ
GoogleやAppleのような巨大企業が投資を行う理由は、
「コストが安い国だから」ではありません。
「高くても買われる市場」があるからです。
ここで、分かりやすい例を出しましょう。
あなたにお金の余裕がまったくないとき、
コンビニでアイスを買うなら、何を選びますか?
おそらく、
一番安くて、量の多いアイスでしょう。
では、少し余裕があったらどうでしょう。
- 少し高くても「ハーゲンダッツ」を選ぶ
- さらに余裕があれば、専門店やパティスリーのアイスを選ぶ
人は、余裕があるときに初めて「質」を選びます。
逆に言えば、
デフレが続き「できるだけ安く」が染みついた国では、
- 高付加価値の商品は売れない
- 企業は安売り競争に向かう
- 結果として、付加価値の低い経済になる
作っても売れないから、企業は作らなくなるのです。
「買える市場」が円を強くするプロセス

国民に「買う力(需要)」があると、経済はこう動きます。
- 高付加価値の商品が売れる
- 企業の利益率が上がり、投資が正当化される
- 技術や雇用が国内に残る(安売り競争からの脱却)
この循環が回っている国には、
海外企業も参入したがります。
世界中が、
「その市場でビジネスをしたい」と思うからです。
ここで、ようやく通貨の話がつながります。
円の価値とは、難解な数式ではありません。
- 円を持っていると、どれだけ価値あるものが手に入るか
- 世界が、どれだけ円を欲しがっているか
これに尽きます。
魅力的な市場があり、
高付加価値の商品が溢れていれば、
それを手に入れるために円が必要になります。
結果として、円の需要が高まり、円高になるのです。
今の日本に足りないのは「買う力」
では、今の日本を見てみましょう。
- 実質賃金は下がり続けている
- 節約が当たり前になっている
- 「今は我慢、将来のために貯金」と消費を先送りしている
これでは、国内市場は縮む一方です。
企業から見れば、
「投資しても回収できない国(確率20%の国)」
であり続けるしかありません。
だからこそ、必要なのは精神論ではありません。
我慢でも、美徳の押し付けでもありません。
必要なのは、
「今、買える人を増やすこと」です。
- 給付金
- 消費税減税
- 社会保険料の軽減
これらによって可処分所得を増やし、
「買える市場」を作ること。
それこそが、政府が果たすべき役割です。
結論:未来を作るのは「現在の消費」

まとめます。
みんなが買いたい商品があり、
実際にそれを買える市場がある。
そうして初めて、
- 企業は投資を行い
- 日本にしかない価値が生まれ
- その価値を手に入れるために、世界が円を必要とする
これが、
円の価値が高まる本当の仕組みです。
はっきり言えることは一つ。
円の価値は、国民の我慢や節約では決して上がりません。
「買われる市場」を持つ国の通貨だけが、
強くなることができるのです。


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