【第3弾】「ダサい」と言われたわくわくゲート敗因は“非対称”ではなく“隠そうとしたこと”にあった

役立ちアイテム

前回は、わくわくゲートが

今の「アウトドアトレンド」にこそ合致する装備だった

という話をしました。

しかし、いくら機能が優れていても、

当時の販売現場で最大の壁となった要素があります。

それが――

「見た目」です。


当時、実際に言われていた声

  • 「冷蔵庫みたい」
  • 「後ろ姿の縦線がどうしても気になる」
  • 「左右非対称でバランスが悪い」

多くのユーザーがデザインに難色を示し、

営業マンもその説明・説得に苦労しました。

結果として、

わくわくゲート廃止の最大の理由は

「デザインへの拒否反応」だった

と言われています。

ただし、ここで一つの疑問が浮かびます。

本当に「左右非対称」のデザインは、

自動車において“悪”なのでしょうか?


「左右非対称=ダメ」ではない

日産キューブの成功例

https://history.nissan.co.jp/CUBE/Z12/1210/www-asia.nissan-cdn.net/content/dam/Nissan/jp/vehicles/cube/1904/exterior_interior/cube_1904_exterior_interior_cs1_03.jpg.ximg.l_12_h.smart.jpg

「車は左右対称であるべき」という固定観念がある一方で、

日本の自動車史には

左右非対称で大成功した車が存在します。

それが、

日産・キューブ(2代目・3代目)です。

キューブのリアは、

運転席側から回り込むような

非対称のガラスエリアを持っていました。

しかし、

  • 「気持ち悪い」
  • 「バランスが悪い」

と言われることはほとんどありませんでした。

むしろ、

  • 「個性的」
  • 「おしゃれ」
  • 「かわいい」

と評価され、大ヒットモデルになります。


なぜキューブは許され、わくわくゲートは拒否されたのか

この差を生んだ決定的な違いは、

「理由の有無」と「見せ方」です。

  • キューブの非対称→ ファッションとしての非対称理由を知らなくても、「そういうデザインの雑貨」として成立していた
  • わくわくゲートの非対称→ 機能のための非対称ドア構造上、必然的に生まれた線

キューブは「崩し」を美学にしていました。

一方、ステップワゴンはあくまで実用車。

ここに、ホンダが陥った

「デザイン上の迷い」がありました。


「隠そうとした」から、違和感が残った

当時のステップワゴンのリアデザインを

思い出してみてください。

わくわくゲートの縦の切れ目を、

  • ナンバープレートのライン
  • プレスライン

に合わせて、

なるべく目立たないように処理していませんでしたか?

ホンダの開発陣は、

非対称であることをネガティブな要素と捉え、

一生懸命に隠そうとしました。

しかし――

隠そうとすればするほど、人は違和感に敏感になります。

  • 「普通のミニバンに見えるのに、なぜか線が入っている」
  • 「左右対称の顔なのに、後ろだけ歪んでいる」

この

「隠しきれない違和感」こそが、

生理的な拒否反応の正体でした。

機能のためのデザインなら、

もっと堂々と主張すべきだったのです。


SUVの世界では、非対称は「勲章」になる

https://image.rakuten.co.jp/car-fuji/cabinet/01209142/syasyubetu2/fj5049_s1.jpg
▲SUVの世界を見てほしい。ハシゴやスペアタイヤで左右のバランスはバラバラだ。だが、それを「ダサい」と言う人はいない。そこには「機能」という明確な理由があるからだ。

では、どうすればよかったのか。

そのヒントは、

現在のSUV・クロカン市場にあります。

本格SUVを見てください。

  • 背面スペアタイヤ
  • 片側だけのリアラダー(はしご)

実は、左右非対称な車は珍しくありません。

それでも、

  • 「ダサい」
  • 「失敗デザイン」

とは、ほとんど言われません。

むしろ、

  • 道具感がある
  • ギア(装備)っぽくてかっこいい
  • 本物感がある

と、プラス評価されます。

アウトドアや「道具」という文脈では、

左右非対称は欠点ではなく、

「機能の証(あかし)」になるのです。


結論:機能は良かった。文脈設計が弱かった

わくわくゲートの敗因は、

機能そのものではありません。

  • 「便利な道具」を作ったのに
  • 「普通のミニバン」として売ろうとしたこと
  • 機能的な非対称を「デザインノイズ」として隠したこと

この

説明不足と文脈のミスマッチが、

あの強い拒否反応を生んだのです。

もし当時、

「これはただのドアじゃない。

冒険に出るためのギアだ」

と宣言し、

非対称であることを誇るデザインで登場していたら――

評価は、まったく違っていたはずです。


次回予告

【第4弾|再定義編】

左右非対称を“使い分け設計”にすれば、むしろ完成する

では、もし今この非対称を逆に活かすとしたら、

どんな形が最適解になるのでしょうか。

次回は妄想ではなく、

実用に基づいた

「左右非対称の完全活用法」を提案します。

「見た目の癖」を

「機能の役割」に変える、逆転の発想です。

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