
「給付や減税をしたら、日本はハイパーインフレになる」
最近この手の話をよく聞きます。
札束の画像、海外の極端な失敗例。
でも、今日は難しい理論は使いません。
自分たちの生活感覚と、日本の現実(供給力)だけで整理します。
可処分所得が「体感で1.3倍」になったら、何が起きる?

仮に、給付と消費税廃止で、可処分所得が体感で1.3倍くらいになったとします。
(季節ごとの給付が年間40万円+消費税が毎回なくなる、の組み合わせ。低所得層や子育て世帯では“体感”が跳ねやすい。)
ここで質問です。
あなたは食べる量が1.3倍になりますか?
なりません。
人間は、お腹いっぱい以上は食べられない。
つまり、生活の中心である「食」は、需要が急増しにくい。
日用品は1.3倍使う?——使わない
次に日用品。
トイレットペーパー、洗剤、ティッシュ。
1.3倍使いますか?
これも、使いません。
さらに現実を見ると、ドラッグストア・コンビニ・スーパーには在庫が普通に並んでいます。
物流が常に止まっているわけでもない。
この状況で、少し多めに買う人が増えたとしても――
欲しい量が、作れる量・運べる量・売れる量を
一気に大幅に超えるなんて、考えられますか?
「供給が詰まっている国」なら話は別です。
でも日本の現状は、少なくとも日用品レベルでは供給網が即崩壊する構造ではありません。
じゃあ消費はどこで増える?——嗜好品・サービス側
「必需品が増えないなら、どこで増えるのか?」
増えるのはここです。
- 外食を少し良くする/回数を少し増やす
- ゲーム・娯楽・サブスク
- ちょっとしたレジャー
ポイントは一つ。
これ全部、なくても生きられるものです。
だから価格が上がったらどうなるか。
- 行かない
- 買わない
- 我慢する
- 他の安いもので済ませる(代替する)
外食が混んだからといって、値段を2倍3倍にしたら売れるか?
売れません。客が逃げます。代替されます。
つまり、消費が増えやすい先は――
「値上げが通りにくい分野」です。
需要が増えても、価格が暴騰しにくい理由は単純で、
消費者が“引ける・逃げる・代替できる”からです。
食品ロスは「供給余力」の証拠になる
さらに食品。
日本は年間およそ470〜500万トン規模の食品ロスがあると言われます。
これは、供給が足りない国の話ではありません。
むしろ逆で、
「需要が足りず、余って捨てている」という意味になります。
だから、消費が少し増えたときに最初に起きやすいのは、
- 値上げより先に
- 廃棄が減る/稼働率が上がる
です。
ここまでの結論:需要が供給を“突き抜ける条件”がない
ここまでを整理します。
- 人は1.3倍食べない
- 日用品も1.3倍使わない
- 供給網は(少なくとも日用品レベルで)余力がある
- 増えるのは嗜好品・サービス側
- 嗜好品は値上げすると代替され、売れない
- 食品は捨てるほど余っている=余力がある
この状態で、需要が供給力を一気に突き抜けて、
いきなりハイパーインフレ――という筋書きは成立しません。
ハイパーインフレは「お金」ではなく「供給崩壊」で起きる
ここが本題です。
ハイパーインフレは「お金を出したから」起きる現象ではない。
「モノを作れなくなった国」で起きる。
供給が壊れた。生産が止まった。物流が崩れた。
その状態で通貨への信頼が落ち、価格が制御不能になる。
これがハイパーインフレの典型です。
日本で本当に警戒すべきなのは、
給付や減税そのものより、供給力を削る政策の方です。
まとめ:現実を見ると「即ハイパー」は雑すぎる

給付や減税で、生活が少し楽になる。
そのとき起きやすいのは、
- 必需品が突然1.3倍になる世界ではなく
- 廃棄が減り、稼働率が上がり、サービスが回る世界
です。
ハイパーインフレは「お金の量」ではなく「供給の崩壊」で起きる。
まずここを押さえない議論は、現実を見ていません。
あなたはどう思いますか?
「給付・減税で即ハイパー」派ですか?
それとも「供給が壊れない限り起きない」派ですか?
コメントで意見を聞かせてください。


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