全9回にわたり、わくわくゲートの復活を叫んできました。
今回は少し視点を変えます。
テーマは、「情報の伝わり方」です。
ディーラー営業マンや元オーナーが口を揃えて言う言葉があります。
「使った人の満足度は異様に高い。でも、使っていない人には全く良さが伝わらない」
これこそが、わくわくゲートが廃止に追い込まれた最大の構造的問題でした。
しかし──
もし「今」この装備が登場していたらどうでしょうか。
私は確信しています。
SNS、特にショート動画との相性が良すぎて、爆発的に拡散されていたはず。
「体験しないとわからない」という致命的な壁
わくわくゲートは、マーケティング用語で言えば
「体験依存型プロダクト」でした。
- カタログで見ると→「後ろのドアが割れてて変だな」
- 試乗で見ると→「横にも開くんだ。でも今は使う場面がないな」
紙のカタログ、テレビCM、ディーラー説明。
当時の伝達手段では、
あの“変な見た目”の裏にある神がかった便利さを伝えきれませんでした。
結果、
体験していない多数派が、見た目の違和感だけで「ナシ」と判断した。
これが敗因です。
しかし、今は違う
2020年代は、
他人の体験を、数秒で疑似体験できる時代。
ショート動画文化が完全に定着しました。
体験の壁は、すでに崩れています。
「狭い駐車場でベビーカー」は15秒でバズる

想像してください。
TikTok、Instagramリール、YouTubeショート。
こんな動画が流れてきたらどうでしょう。
- 激セマのコインパーキング。隣との隙間30cm。
- ママが困る。「後ろ開かない…」
- サッと横に開くわくわくゲート。
- ベビーカーをスムーズに取り出し、颯爽と去る。
説明不要。
この映像だけで、
「これ私じゃん」
「これ欲しかったやつ」
となります。
他にも──
- 釣り場で竿を持ったまま道具を出す
- 雪山でブーツのまま横から飛び出す
- 子どもを抱えたまま片手で開閉
これらはすべて、
“わくわくゲートでしか成立しない動線”
であり、
かつ
“動画映えする動き”
です。
当時は「想像」するしかなかった利点が、
今は「視覚」で一瞬にして理解される。
この差は決定的です。
アルゴリズムは「変なもの」を優遇する

さらに皮肉なことがあります。
当時嫌われた
- 左右非対称
- 真ん中で割れたドア
これこそが、
今のSNSでは最強の武器になります。
SNSのタイムラインでは、
- 普通の車 → スルー
- 高級車 → スルー
- よく見るSUV → スルー
しかし、
「ドアが真ん中で割れて横に開く車」
これは違和感の塊です。
指が止まる。
再生される。
そして理解される。
- 昔:違和感 → 不安 → 拒否
- 今:違和感 → 興味 → 再生 → 拡散
拡散構造が逆転している。
わくわくゲートは、
“早すぎたアルゴリズム適合装備”だったのです。
「使った人の熱量」が勝手に売る時代
今は、
メーカーが大金をかけてCMを打たなくても、
- #わくわくゲート生活
- #神育児グッズ
- #キャンプ神動線
のようなタグが自然発生する時代です。
ユーザー自身が広告になる。
しかも、圧倒的に信頼される広告です。
わくわくゲートは、
その“語りたくなる体験”を持っています。
結論:機能は正しかった。時代が追いついた。
わくわくゲートは失敗作ではありません。
それは、
「動画で体験を共有する文化」が定着する前に生まれた装備
だっただけです。
機能よし。
デザイン再定義よし。
市場タイミングよし。
拡散土壌よし。
条件は揃いました。
ホンダさん。
今こそ、この「早すぎた傑作」を現代に解き放つ時です。
TikTokでバズる準備は、
もうできていますから。

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